SNSの魅力

SNSの魅力は自分の発言で人に影響力を与えることができることに対する心理的満足感である。まわりの人に影響力を与えることは自分の生存を有利にできることにつながる。しかしこれはあくまで自分が実際交流のある人たちに囲まれて暮らしている実際の共同体の中でのことである。ある人が現実の自分の周囲にいる人たちに対して何か発言をして、その発言通りに物事を行ったら共同体内でよいことが実現できることに繋がったら、その人は共同体の人たちから一目置かれて評価されるだろう。その実績がその人の共同体内での地位が上がることにつながる。それが具体的メリットである。しかしSNSでの発言の場合はどうか。自分の人生とはかかわりのない不特定多数の人たちに自分の発言が評価されることは心理的な気持ちのよさを手に入れることができるが、メリットはそれだけである。具体的に自分の社会的地位が上がることがもたらされるわけではない。具体的な利益はない、心理的満足感という気持ちが満たされることが起こるだけである。それはよいことなのだろうか?

現実の人間関係の中では地位が低く、評価される立場にいないので、実際の人間関係の中で何かを発言したとしても無視されるだけで誰も聞く人がいない場合であれば、SNSの中だけでは自分の話を聞いて評価してくれる人がいる場合は心理的満足感しか手に入らないとしてもメリットにはなりうる。実際の人間関係の中では何も得られないのに比べれば、心理的満足感が瞬間的にでも手に入ることになるのだから。