本を読む動機

人は自分の見る世界しか知ることはできない。同じ風景を見ていても同じ光景を見ていても、他人の目にはどのように世界が見えているのかわからない。人それぞれが生きていた経験に基づいて自分の目に映る世界を人は解釈する。だからせめて本を読む。ほかの人が書いた文章を読めばその人の目から世界がどう見えているのかを知る手掛かりになる。もちろん完全に人の見る世界を自分の中で再現できるわけではないが、それでも少しはそこにたどり着ける気がする。それが本を読む動機。