現代が不確実な時代なのは関係者の数が多すぎるから

現代が不確実な時代なのは関係者の数が多すぎるからだろうと思う。

人が小人数の閉じた経済圏で暮らしていた時代、自分に関係がありそうな人の数は少なかったろう。自分の地域でできた作物を食べ自分の地域で作られたものを使用するという単純な世界で生きていた。だから気にすべき人は自分の周りにいる身内の人たちだけでよかった。顔が見える範囲にいる小人数の身内の人たちにだけ礼儀正しく振舞っていればよかったのだ。

(実際のところ小人数の閉じた経済圏の時代を私は知らない。生まれたときにはそういう小さな共同体の時代は終っていたので、本で得た知識-歴史などで知っているだけである。)

現代はグローバル経済の時代である。私が普段口に入れる食べ物や身に付ける物、身近な生活をするための道具などもグローバル経済を通じて入ってきているものである。だから私の生存を支えているのは世界中にいる会ったことのない-会うこともなさそうな人たちである。自分の生存がどこの誰だか分からない人たちに支えられている状態になっている。私は誰に対して礼儀正しく振舞えばいいのか。誰の機嫌を損ねるとまずいのか。自分の周囲にいる身内の人たちにだけよい顔をしていればいいわけではない。だから複雑である。世界中の人たちの中に自分を位置づけて、どう振舞うべきかを考えなくてはならない。

他の国で起きた災害が流通などに影響し、私の生存を支えているものに影響を与えることが起きる。

自分の生活に影響を与える可能性のありそうなものが世界中の国やそこに暮らしている人々の生活だったりするので、予想をすることが難しい。

その複雑さが不確実さにつながっていると思う。