共同体から人が排除されること

共同体はなぜ誰かを排除しようとしてしまうのか。それは共同体の秩序を維持するために、ルールを守らない人は排除されるー罰を受ける-ということを共同体のメンバーにわからせるためである。罰則がないと共同体内で勝手なことをする人が現れ共同体の秩序が壊れてしまう、それを恐れて共同体のルールを破る人を排除して罰を与える。罰を与えることで共同体の秩序を維持しようとする。しかし排除される人には排除されるもっともな理由はいつもあるのだろうか?共同体のルールを破る人を作るにはルールを追加していって誰か守れない人が生じるようにしておけばいい。ルールを増やしていくことで共同体のルールを守れない人をわざと作ることで排除される人をいつも設定することができる。ルールを破る人がどうしてもできるように画策して、定期的に人を排除していく運用方針を取っているということはないのだろうか?

罰を与える人を作ることをしなければ共同体の秩序は維持されないのだろうか?そもそも罰を与えることで共同体の秩序が維持されると考えるのは、共同体のメンバー同士に実のところ信頼関係がないからではないだろうか?共同体は人が自分で選んでいるわけではない。たまたま同じ土地に生まれた者同士が無理やり共同体を作って生きていかなければならなかったので、お互いに信頼関係が築かれることがなかった。だから罰を与えることで無理やり共同体を維持してきた。

もし誰かが罰を与えられることで共同体を維持する方法をとらないようにしたいのならば、共同体のメンバー同士がお互いに信頼関係を築いている人たち同士で共同体を自ら選び取って作ればいいような気がする。しかしここにも問題がある。

人から信頼されるタイプの人や人から好ましいと思われるタイプの人や人から嫌われたり、信頼されにくいタイプの人がいる。だから共同体をつくるメンバーの人たちが自分が信頼できる相手を相互に選んで、共同体をつくったら、そこから好ましくない特徴を持った人たちはあらかじめ排除されて共同体が作られていくことになるだろう。