逸脱する人を叩く人叩かない人

逸脱する行為をする人を叩く人は、その人の逸脱する行為を自分のいる共同体の多くのメンバーが真似をするだろうと考える。逸脱する行為をする人が増えれば自分のいる共同体の秩序が壊されて、共同体の崩壊をもたらすだろうと予想する。共同体の崩壊を恐れるために逸脱する行為をする人を叩くのだ。その人物の追随者が現れないように。

逸脱する行為をする人を叩かない人は、その人の逸脱する行為を真似をするメンバーはそんなにたくさん現れないだろうと考える。もしくはその人の逸脱行為は共同体の秩序を崩壊するものになるのではなく、共同体内に新たな運動を引き起こして共同体の強度をかえってしっかりしたものにする方向へ働くのではないのかと好意的に考える。このように考える人は共同体が生き延び続けるためにはまったく変化がない状態でいるのはよくないと考えており、生き続けるためには少しずつ変化していくことが必要だと考えている。そして逸脱する行為をする人が共同体が生き延び続けるためによい変化をもたらしていくだろうと考える。

逸脱する人を叩く人と叩かない人にはこのような思想上の違いがあるのではないのかと考える。