ブラック企業がなくならないのはリーダーになりたがる人が少ないから

ブラック企業というものがある。問題だと言われ続けるのだがなぜかなくならない。だいたい社長が暴君で従業員をこき使い搾取して利益を上げていると非難される。しかしなぜなくならないのか?それは多くの人がリーダーをやりたがらないからだろう。

何らかの共同体をやるとなるとリーダーが必要になる。リーダーを誰がやるのか?多くの人はリーダーをやることを避ける。そうするとリーダーをやりたい!と思う人がやることになる。リーダーが暴君になった場合、その共同体の構成員が一致団結をして協力すれば、暴君になったリーダーを追い出すことは可能だろう。しかしそうならない。その暴君リーダーを追い出してしまったら誰か別の人がリーダーをやらなければならないから。他の構成員が皆リーダーになるのだけはいやだと思っていたら、暴君の強権支配下にいることを我慢する道を選んでしまう。リーダーになるより強権支配下で搾取されボロボロにされるほうがましなのだ。それぐらいリーダーになることが忌み嫌われている。他の構成員が強権支配を受け入れ続ける態度を固持し続けるため環境は変わらない。暴君リーダーを成り立たせているのは他の構成員全員の意思なのだ。

普通の人がリーダーをやらない理由というのがある。

リーダーというのは面倒なのだ。暴君になるような強烈な個性の持ち主ではないと、他の構成員から突き上げをくらいそれを気に病んでボロボロになったりする。共同体全体をまとめあげるのは並大抵の苦労ではない。強烈な個性の持ち主じゃない普通の人はリーダーをやるとボロボロになるだけ。なのでリーダーをやりたがらない。かくしてリーダーはだいたい他の構成員から突き上げられるような弱いタイプじゃない人がやることになるので、そういう人は気づくと暴君に変貌していたりする。そしてブラック企業の環境が続く。暴君になるようなタイプであるなら、リーダー特権で暴利をむさぼることをしても気がとがめない。しかし気弱な普通の人は自分がリーダーだからといって他の構成員より利益を得て当然だとまでは思えないから、リーダーをやっても得にもならない。

リーダー特権で利益を得るのでなければ、リーダーをやることで得られるメリットというのはリーダーが率いている共同体が存続することができるということだけになる。他の構成員はリーダーを誰かがやっている共同体に所属すれば共同体と自分の生存が存続するという利益を得られる。だから多くの人はリーダーをやらずに共同体に所属するだけのことで利益を得ようとする。かくして共同体がブラック企業のような環境に変貌してもそれを変えていくことができなくなる。