人間のコミュニケーション能力

人間のコミュニケーション能力は高くない。高くないのに意思疎通ができているように見える状態が成立しているのが不思議だった。言語等を使って込み入った内容を伝えることをお互いにそれほどしているようには見えないがなんとなく通じ合っているという状態を成立させている。

これがどうして成り立っているのかが分からず心理学の本を読み漁っていたことがある。心理学の本によると人間はお互い相手に抱く誤った思い込みの割合がすごく高いので、言語等を駆使してたえず執拗に相手との考え方の確認をしつこいくらいにしないと意思疎通ができないらしい。しかしそのような執拗なコミュニケーションをし合っている奇特な人間同士を見たことがない。

まったく根拠はないのだが、人間のコミュニケーションは情報などを伝えることが成功できている割合は3割ほどで、残りの7割は誤った思い込みをお互いに抱くことで補っているのではないのかと思う。だから意思疎通ができている割合は実は低く、お互い相手と自分に抱く誤った思い込みがほとんどを占めている。だからコミュニケーションは誤った思い込みでほぼできていると思っていたほうがいい。

3割ほどしか情報伝達に成功しておらず、ほとんど誤った思い込みで通じ合っていると誤解している状態だけで共同体が成立しているなんてすごいことだ。だから共同体内部で致命的な問題が生じたらお互いの誤った思い込み部分がそうじゃなかったのかと気づいて、共同体が崩壊するのだろう。誤った思い込み部分が大事なのである。