小さい共同体が大きい共同体に移行したわけ

人間社会では今は国民国家という枠組みで運営がされている。国民国家のような規模の大きい構成員がいる大規模集団ができたのはなぜなのだろうと疑問に思っていた。

最初人間は少人数の顔見知りだけで構成されているような小さい共同体を作っていたのだと思う。しかし小さな共同体の運営は大変だったのだと思う。お互いに顔を知っている者同士で共同体を維持し続けるためには、構成員同士の格差が生じないようにしなければならなかった。噂話やゴシップの力を使い、お互いに悪口を言い合うことで、誰かが特別尊敬を受けたりしないようにお互いにけん制し合っていたのだと思う。それでも社会が複雑化し、財の差が生じたりした場合、今度は財をたくさん持っている人をねたみ、ねたまれないように財を持った人がその財をメンバーに配布するように仕向けたりして共同体の構成員同士がお互いに不満を抱かないように工夫した。しかしこれは相互監視システムのようなものであり、お互いがお互いの行動を見張るような仕組みである。中にいるメンバー同士が疲れてきたのだろう。また小集団とほかにたくさんある小集団同士の関係もある。小集団は自分たちの小集団の結束を高めるためにその小集団独自の文化を作りだした。そして結束を高めるためにほかの小集団と敵対することが増えていったのではないのだろうか。外に敵がいると集団内の結束が高まるだろう。小集団同士が敵対して戦争が頻繁に起こるようになったのでは?中でも内紛の可能性が高まり、外とも争いの可能性が高まるようになったので、強い絆で結ばれている小集団で運営することを人間は考え直すようになったのではないだろうか。

ということを小集団同士で分かれて争うことが多くなっているネット上のいろいろな騒動を見ていて思った次第である。

小集団を解体して一人ひとりがもっと大きい大規模な集団に所属し、その大集団が定めた共通の法律を制定してそれに従って行動するような国民国家ができあがった。

となんとなく思った。