他人とのコミュニケーション

他人とコミュニケーションをとることとはどういうことなのだろうか?

人は自分の目からしかこの世にあるあらゆる物事を見ることはできない。それは人の場合も同じである。自分の目から見た相手とコミュニケーションをすることになる。

大抵この人はこういう人であると勝手に決め込んだイメージに基づいて相手とコミュニケーションをすることになる。この人はこういう人であるという定義は自分が(勝手に)設定したもので、こういうことを言うと相手はこういう反応を返してくれるだろうという(勝手な)想像のもとに会話のやり取りなどをする。自分が思っていない反応が返ってきたときに、この人はこういう人物であるだろうという自分の抱いていた人物像を修正してまた違うイメージに変えた人物像へ設定を変える。しかしそれは最初から最後まで自分が勝手に作り出した人物像である。

気難しい人だとか付き合いやすい人だとか自分と気が合う人だとか、人嫌いな人だとか怒らせると怖い人、しつこい人、何やらかすか予想がつかない人などなどいろいろな性格設定を考えるが、いずれにしても全部自分が勝手に設定した人物像である。合っている保証はない。確認するすべもない。

これは自分が架空の人物像を想像で作り出して、その人物との会話をする様子を想像することとどれほどの違いがあるのだろうか?生身の人間が相手だから何らかの反応が返ってくるところに違いはあるだろう。しかしそれ以外の部分は全部自分の想像で埋めているのである。

100%想像でできている架空の人物(イマジナリーフレンドみたいな感じだろうか)とは生身の人間は違うだろうが、生身の人間も自分の想像で80%くらいはできあがっているのではないのだろうか?

他人を相手にコミュニケーションをしていると自分は何を相手にしてコミュニケーションをしているのだろうかという疑問が浮かんでくる。