短期的生存戦略と長期的生存戦略

たとえば相対する人を自分に害をなす人であるか、自分にとって益になることをしてくれる人であるのかはすぐにはわからない。が相対する人を自分に害をなす人であると決めつけるのは短期的な生存戦略としては有効である。自分にとって危険であるとみなして離れれば、その人が自分に害をなす行動をするつもりだったら避けることができる。しかし会う人のほとんどと関係を切る選択をしたことになるのは長期的に見れば孤立してしまい生存上不利になる。今現在の短期間(時間)だけを生きている状態にすることを優先するのか、それともある程度危険をおかしてももっと長期的に生存し続けることを目指すかによって選ぶ戦略が異なってくる。

危険な人々に大勢囲まれているような環境で生きている場合、現時点(それがどれくらい短期間であっても、たとえば数十秒間でも生きている状態を確保することを優先するならば)の生存を確保する戦略を選択することになるだろう。

しかし平穏な状態がある程度長期間続く可能性が高く、信頼すべきでない人を信頼したところで少々嫌な目にあうぐらいで命を失う結果がすぐに起こるわけではない場合、少々痛い目にあうことを覚悟して、相手を信頼してみる行動をするほうが理に適う。

状況次第で短期的戦略か長期的戦略のどちらを選ぶかを考える必要がある。