出羽守と言われている人がいる。海外在住の日本人で欧米の先進的な部分を日本は見習えと主張している人。日本と欧米では国の成り立ち方も違うし、住んでいる人たちのタイプも違い、歴史的経緯が違う。その種のいろいろな条件でたどってきた形が最終的に今の状態を作っているのだろうと思っている。だから見習って見習える内容ではないことも多々あるだろうから、欧米を見習って欧米でのある状態を成り立たせるのは難しいのではと思う。どういう条件が揃えばその状態になるのかを考えて、参考にできるのか（あるいは参考にしないほうがいいのか）を考察するために、他国を観察することは意味があるだろうとは考える。
ところで欧米出羽守が本当に見習いたいと考えていることは何なのか。
それは欧米人の自分の欲望に忠実に生きる部分ではないのかと思う。日本人のように空気を読んで自分の主張を抑えて様子をうかがって恐る恐る行動をして出る杭が打たれないのか気を遣うというのがなさそうに思えるのがうらやましいのである。
日本に住んでいても自分の欲望に忠実に生きればよいと思うのだが、それはできない。なぜなら日本では自分の欲望に忠実に生きている人が少ないから。欧米では自分の欲望に忠実に生きている人がそれなりにいるので、その中で同じような行動をしても目立たない。自分の周りの人たちがどういう行動をしているかにある程度合わせるという習性が抜けないので、欧米だったら自己主張できるけど（周りが皆自己主張しているから）日本では同じように行動できない。日本でも自分の欲望に忠実に生きている人が増えれば日本にいても自己主張できるのに・・・という考えているのではないのかと思う。
