人が新しい選択肢の行動をするとき

人は現状維持が好きだ。できるだけ現状維持をしたまま自分が普段から行っている行動様式を変えたくない。新しい行動様式を身に着けることは敷居が高い。新しい行動様式に移行したほうが今の状態からよい方向へいくのではないだろうかと期待できても、現状維持をし続ける方を選ぶ。物事には両面があり、メリットがあっても必ず何らかのデメリットはある。新しい行動様式に移行する場合、その新しい行動様式に伴うデメリットがどうしても目につく。そのデメリットの方が巨大に感じられ、メリットがたくさんありそうであってもデメリットがあることに注目して新しい行動様式に移れない。

しかし現状は刻々と変わっていく。今までの行動様式を使って物事に対処することがどうしても難しいような状況が訪れる。そのとき今までの行動様式を取り続けていくと自分の死がもたらされる、あるいは自分の心身の健康が非常に損なわれる可能性が高いと感じられる。そのまま今までの行動様式を続けて死んでも仕方ない(あるいは心身の健康状態が非常に損なわれても仕方がない)と諦めるのか、あるいは現状をよい方向に帰るかもしれない新しい行動様式に移るのかという決断が迫られる瞬間が訪れる。

そのときやっと人は新しい行動様式に移るほうへ一歩踏み出すことができる。もちろんそのまま今までの行動様式にしがみついたままでいる可能性もある。

つまり言いたいのはかなり追い込まれないと人はなかなか行動を変えることができないということだ。環境の変化などにより変化が訪れて、どうしても今までの行動様式ではだめだという極限状況に達するまで人は行動を変えないだろう。

しかし人類はこの地球上に誕生したときにしていたであろう生活をもう今はしていない。きっと環境の変化などにより行動様式を変えなければならない状況に追い込まれて渋々行動を変え続けていったのだろう。

もちろん変えないで今までの行動様式にしがみついていた人たちもいたはずだが、彼らは今はほとんど存在していない。