人が問題解決を避けるのは

何か問題があっても人は問題解決を避ける。問題解決をなかなかしようとせずに先延ばしをする。問題解決には時間と労力がかかるのでそのような面倒なことはなかなかしたがらない。先延ばしにして放置してしまう。そのうち問題が消えてなくならないかなというようなことを期待してそのままにしておく。実はこの先延ばしはそんなに悪い方法ではなかった。なぜなら人の寿命はかつてはそんなに長くなかったからだ。労力のかかる問題解決の方法を実行して問題解決に導く行動をするために要する時間がかつての人にはあまりなかった。人の生存環境がよくなかったときは、たいてい疫病や災害やあるいは戦争が起きて人が亡くなる可能性が高かった。だから時間のかかる問題解決をする必要性をあまり感じなかった。そのようなことを試みても志半ばで寿命が来てしまう可能性がそれなりにあったのだ。だから人は問題があっても解決しようとしないで先送りにして問題が自然に消えるのを待ってしまう。問題が消えずにその問題のせいで死ぬことになったとしても、問題がない状態でもそれほど長い生きられる可能性は高くなかったのでそれほど問題にはならなかった。しかし今は違う。生存環境がよくなったので人の寿命が長くなった。人は長く生きられるようになった。そのため問題を解決せずに放置しておいたら、問題のある不快な状態で生き続けることになる。人の寿命が長くなったおかげで、人には問題を解決しなければならないと考える理由が生まれた。