人はなぜ争うのか

人はなぜ争うのか。それは争っている間は誰が自分の味方で誰が敵なのかが明確になるからだろう。誰かと争いを始めれば、自分の周囲にいる人の誰が自分に味方をしてくれるのか、誰が敵側につくのかが明確になる。自分の味方が誰であるかが可視化されると安心できるのだ。争いがない状態では自分の周囲にいる人たちは敵でも味方でもない。彼らはその場の実際の状況や気まぐれな理由で自分に協力をしてくれたりしてくれなかったりする。彼らの行動はその都度バラバラなのだ。ある時は協力をしてくれたけど別のときは協力をしてくれなかったりする。その時の状況次第で適当に変わる。またほんの気まぐれで誰かを助けたい気分だったから協力を申し出てくれる時もある。敵でも味方でもない人たちというのはそういうものだ。いつも協力をしてくれるわけではなく、いつも協力をしないわけでもない。しかしそれは安心できない。常に自分に味方してくれる人、常に自分に協力をしてくれる人がいてほしい。だから争いを起こす。争いを起こせば敵味方が明確になって安心できるようになる。それが人が争う理由だ。敵味方がはっきりしないあいまいな状態の人たちに囲まれている状況はいやなのだ。