アンガー・マネージメントがあるのにラブ・マネージメントがないのはなぜなのか?

アンガー・マネージメントというのがある。怒りの感情をコントロールすることが大事だという考えだ。なぜ大事なのかというと怒りの感情は体に悪いからだろう。激しい怒りは生命を削る。怒りのあまり人を害することをしてしまったり、自分の生命を削る結果をもたらすことがある(憤死するという言葉がある)。ただし怒りの感情は自分や他者の生命を守ることにつながる面もある。不当な扱いを受けたときなどに怒りを感じて身を守る働きもあるだろう。怒りの感情が生命を守る方向に働くときはよい状態であり、生命を害する方向に働くときは悪い状態であると判断される。怒りという感情自体にはよい悪いという価値判断はない。

愛という感情には怒りほど悪いイメージがない。愛は無条件でよい感情で抱くべきだと考えられている。が私は疑問に思う。愛が生命を害する方向に働くこともあるのではないのかと考える。愛も怒りの感情と同じようなものとみなして、ラブ・マネージメントという考えを持ったほうがよいのではないのだろうか。愛の感情が大きくなりすぎて、そればかり考えて生活に支障がでるのは体に悪い状態だろう。文学作品で愛で苦しんで死んでしまったという表現があるように、自分の生命の維持に問題が出る場合もあるだろう。愛の感情も生命を害する方向へ働くときは制御してコントロールすべきだと考える。