国家は親密な人間関係を提供してくれない

国家は個人が親密な人間関係がない状態でも生きていけるような設定で作られている気がする。国家は私に日本という国に所属していることと、日本人であることを認めてくれるがそれ以上のことはしてくれない。個人に何か問題が起きたら行政や法などのシステムの力を借りることになる。

ずっと疑問だったのだが、人は国に所属している状態だけではなぜ満足できないのだろうか?居場所は国の中にあるのだから、それだけでもいいと考えることができる気がするのだが。それ以外に自分に特別縁のある人間関係、たとえば家族や自分の能力を必要としてくれる企業とか所属できる仲間集団のようなものをなぜ必要とするのか?国家としてはそうした親密な人間関係のようなものは個人がもし欲しいと思うのなら自分で手に入れればいいし、もし必要ないなら持たなければいいとう感じで放っておかれる。

国家の設定では個人主義的な人の方が生きやすい。親密な人間関係集団が欲しければ国家は与えてくれないので自分で自由に作るしかない。しかしそうした人間関係を作るのが得意なタイプの人と得意でないタイプの人がいる。得意でないタイプの人は作れないことに苦しむことになる。そのようなものは別に必要ないと割り切れる人だったらいいのだけれど。