注目されている人をうらやましく思うこと

注目されている人をうらやましいと思い憧れるという状態がある。自分もあんなふうに有名になりたいと感じる。しかしその状態を望む場合のその具体的な内容は何なのか?

具体的にいうと大勢の人から称賛されているあの数時間(数年間?)の心地よさを感じていたいということなのだ。注目されている人は生まれた赤ちゃんのときから注目されていたわけではない。赤ちゃんのときは親は注目していたかもしれないが。赤ちゃんから物心つくぐらいに成長をして何かを成し遂げた結果人から注目される状態を手に入れたのだ。地道に努力をしてこつこつと積み上げて何かを実現したその具体的な成果物を持っているから注目されている状態に達している。

その地道でこつこつと積み上げて努力をしていた地味な過程(数年間に及んだかもしれない)のことには人は関心を持たない。

また注目されることはよいことばかりではない。ライバルと思われる人からねたまれたり、あるいはライバルでもなんでもない無関係な人から嫉妬されて、嫌がらせを受けるかもしれない。中傷もあるだろう。注目されることにはそういう負の側面もある。

注目されるまでの地味でこつこつと努力をした過程や、注目されることによる負の側面、そのようなことに人は関心を持たない。ただその人の現在の注目を浴びている状態が気持ちよさそうだからうらやましいと感じるだけなのだ。

実現したい(実感したい)のは注目されている状態のときの心地よさ、気持ちよさの状態だけなのである。

だから自分も注目されている人のようになるために努力をしようという気にはならない。注目されると負の側面もあるからいいことばかりではないだろうなどとも想像しない。別に何者かになりたいわけではない。人から称賛を浴びているのは気持ちよさそうだという感覚的なことを体験したいだけなのである。

ヴァーチャルリアリティで称賛される状態だけを体験できるという内容のものが実現できるようになれば・・・それだけで満足するかもしれない。