自粛疲れについて

自粛疲れが起きて感染者がまた増えてきている。自粛疲れが起きることは防げなかったのだろうか。一番最初にある程度の期間自粛をすればよいというイメージを与えてしまったのがいけなかったのではないのだろうか。

最初に言うべきだったのは会うことをやめたら関係が切れることが起きるかもしれないが、人との関係が切れることを怖れるよりも命を守ることを優先しましょうというメッセージにすべきだったのではないのかと思う。

災害などの非常事態に起きることは人間関係が強制的に断ち切られることだ。人は自分が今関係している相手と関係が切れることを怖れる。命を失うことよりも人との関係が切れることのほうを怖れたりする。

人間は群れを作って生き延びてきたので、群れつまり、仲間がいる状態ではないと生存できないと思っている。だから仲間を失うことを自分の命を失うことよりも怖れて、命を守る行動はなかなかできない。

ただ人間関係は相手次第なのでいくら自分がその相手と関係を継続したいと強く望んでも、相手が関係を切りたいと思っているのなら可能ではない。人との関係性は自分の意志だけではどうにもならない。それは災害時のような非常事態でなくても通常の状態でも変わらない。自分に責任もなくても相手に責任がなくても関係が終わるときは訪れる。仕方がない避けようのない別れもある。

今ある人間関係のいくつかもしくはすべてを失うかもしれないが生存することができて状況が改善したらまた新たに人との関係を築くことができる、そのような状態にあることを希望にすることを目指すしかない。

今ある人間関係を継続して今までと何も変わらない状態のままこの困難な状況を乗り越えることができるようなイメージを与えてしまったのはよくなかったと思う。