災害時に生き残るには

災害時に生き残るには、今築いている親密な間柄の家族や友人たち、自分の大事な仲間たちと共に生き延びることはいったん諦めなければならない。今の危険な状態から自分ひとりの命を守ることを優先して逃げることをする。

生き延びた後に生き延びた人たちの中から、親密な関係を築いていく人たちを選んで、また新たに仲間を一から作ることをすることになるだろう。

それはつらいことだ。人は今いる自分と親密な関係を結んでいる人たちと一緒にどうしても生き残りたい。しかしその選択は災害時にはあだになる。災害時に生き残る選択をすることはとてもつらいことを引き受けることを意味する。

このまま逃げずに仲間と共に生き残らない選択をしたくなる。生き残った後によく知らない人たちの中から仲間だと思える人を探して一から共同体を作っていくのは大変なのだ。人は一人では生き続けることができない。生き続けるためには新たな人間関係を作っていくことをしなければならない。新たな人間関係作りはとても難しい。慣れ親しんだ人たちではないから自分とは物事の感じ方が違ったり、考え方も異なる人かもしれない。どんな人なのか交流しながら自分がその人と一緒に共に生きることができる相手なのか判断をして人間関係を作っていく。時間もかかるし手間もかかる。その生き残った後にしなければならない苦労を考えると、災害時に生き残る選択をする気力がなくなる。

災害の後では環境も変わってしまっている可能性がある。慣れ親しんだ場所を離れて自分の馴染みのない新しい場所に住まなければならないかもしれない。新しい環境に適応して仲間作りもしながら生きていく、それは大変しんどいことだ。

しかし災害時に生き残るためにはそのしんどいことをしていかなければならない。

いずれそのしんどい生活の中から生きている楽しみを見出すことができるようになる、そのことを祈りながら。