人が口にする言葉はホンネなのか

以前ある本に書いてあったのだが、人には2種類のタイプの人がいて、人の言ったことを素直にそのまま受け取るタイプの人と、人は本当のことを言わないと思っているタイプの人がいるそうだ。

人の言うことを素直に受け取るタイプの人の場合、誰かが自分のことを嫌いだという表明をしたら相手の言ったことを素直に受け取り、自分が嫌われていることを悲しんだり怒ったりする。

人は本当のことを言わないと思っている人は、人の真意を探す。誰かが自分のことを嫌いだといった場合、それを相手がわざわざ口にして自分に表明することの意味を考える。それは何を目的としているのか。たとえばその誰かが自分が嫌いな相手と友好的な関係を築きたいと思っている場合、自分のことを嫌いである態度を表明する必要が生じるだろう。だから他の人間との友好関係を築く必要上自分のことを嫌いだと言う可能性がある。その誰かが自分のことを本当に嫌いだと思って嫌いだという表明をするとは限らない。その言葉はホンネではないかもしれない、というふうに考える。

人の言葉はホンネなのだろうか。それともその人の戦略の必要上生じる発言であるだけなのだろうか。

多分後者のタイプの人は人のホンネを知る必要はないと思っている。ただその人の言動からその人の目的を突き止めて、その目的に対応する応対をすればよいだろう。どうせ人のホンネはわからないのだから、と思って割り切っている。