影響力を発揮すると不自由になる

人は他の人たちに対して影響力を発揮したい。この人の言うことはもっともだとか納得されて感心を持たれるようになりたい。多くの人たちに対して影響力を発揮することができることを望む。しかし影響力を発揮できるのは、自分のことを仲間だとか思ってくれたり、親しみを感じてくれるような人たちだけに限られる。大勢の人たちから一目置かれて関心を持たれて影響力を及ぼせる人たちが増えると、その人たちに囲まれた身内集団のようなものができる。身内集団ができると身内集団内でしか通用しない身内集団独特のルールが生まれる。自分のいる身内集団に影響力を発揮できるようなリーダー格の立場の人になれたとしても、身内集団のルールを自由にできるわけではない。このルールは気に入らないと思っていても、身内集団のメンバーの大勢がそのルールを支持するようだったら、ルールを変えることはできない。影響力を発揮できる立場だったはずなのに徐々に勝手に出来上がってくる身内集団内のルールに縛られるようになっていく。自分のことを仲間だと思ってくれる人たちが自分の意向通りにふるまってくれるわけではない。たとえその集団のリーダー的立場になったとしても身内集団内にいることは縛りの多い不自由なものになるのだ。影響力を発揮できるようになって自分を支持してくれる人たちが大勢できたはずなのにも関わらず、なぜこんなに不自由になって前よりずっと縛られるようになってしまっているのか?と悩むようになる。大勢の人たちに支持されれば大勢の人たちの支持したい人物の理想像ができて、その理想像とちょっとでもずれたらバッシングされたりする。身内集団内のメンバーの人たちの方がその集団のリーダーと思われる人物の行動様式をコントロールする立場になったりする。

影響力を発揮すると最終的には不自由になるのだ。