SNSでトラブルが起こる理由

人が日常でする会話は基本的に顔見知りの人たちの間で交わされる。顔見知りというのはどういうことかというとある程度の期間付き合いがある相手であり、この人はこういう人だということがわかっている相手である。だから話す内容+それを話すのはAさん+Aさんはこういう考えの人+AさんとBさんの関係はどうであるかなどといういろいろな情報が組み合わさって会話の内容が理解される。私の周りにはAさん、Bさん、Cさん、Dさんといろいろな人がいる。Aさんから聞いたBさんの話は私の理解を通して、Cさんに話してもいいがDさんには話さない方がいいなどという細かい配慮がされる。それは顔見知りの間柄の中の人間関係の濃淡による。私はAさんとは親しいがBさんとはAさんより親しくないなどという関係性がある。日常会話は顔見知りの人たち全員にすべての情報が伝わるわけではない。伝わる人と伝わらない人がいる。相手がどんなことで不快に思うかをあらかじめ情報として知っているから伝えることと伝えないことを取捨選択できる。しかしSNSはすべての情報がすべての人に伝わってしまう。そこが問題を引き起こす。

SNSで話す内容はSNSを利用するすべての人たち、場合によっては世界中の人たちにまで伝わってしまう。それを伝えたら不快に思うタイプの人たちにも意図せずに伝わってしまう。そしてトラブルになる。

しかし人が会話をするとしたら、いきなり通りすがりの全然知らない人に話をすることはない。それはだいたい知っている人、顔見知りの誰かに対してだけなされる。だからSNSのような場にあっても、顔見知りの誰かに対するようについ会話をしてしまう。つまり反応が予想される相手である。反応が予想されるのは会話を伝えるのが付き合いのある顔見知りの人たちだけだからだ。SNSで日常会話はしない方がいい。誰に対して話しても一律反応が予想される内容に限定すべきである。たとえば時候の挨拶、解釈が何通りにもなるような込み入った内容ではない単純な内容のもの、あるいは客観的に発表されることが多い論文のような内容である。