人は身内集団内でどうふるまう方がよいかということしかわからない

人は古い時代において身内集団を作って暮らしてきた。だから身内集団内でどうふるまう方がよいかということしかわからない。だから身内の人間が間違いを起こしてもかばいだてをする。そして自分たちの共同体が正しいのだと主張する。またマウンティングをして有効なのは身内集団内でのことである。身内集団の外に別の共同体があるということはわからない。実感できない。今は身内集団の外に広がる国家というより大きな共同体に所属して生きているということもわかっていない。そのようなことは実感できない。見える範囲が身内集団だけである。その外には何も見えない。その外にいる人たちは見る必要がないから見ない。

すでに身内集団というものを自分が持っていない状態になっていたとしても、そのような変化が起こっていることにも気づかない。身内集団は空気のように当たり前にあったはずだから、自分は身内集団に所属しているはずなのである。だから以前として身内集団内で有効だった方法を機械的に繰り返している。しかしその方法が効果を発揮する対象者がいない。対象者がいないのだからそのやり方を繰り返していても何も起こらない。反応すべき相手が誰もいないのだから。しかしほかのやり方を知らないので、昔覚えた行動を機械的に繰り返す。無意味に繰り返すのみだ。